2014年09月17日

原田宗典の岡山を巡る

23歳の時、書店で平積みになった表紙の赤い本が目についた。新刊らしい。
『十七歳だった!』
タイトルとその表紙に何となく惹かれて手に取って読んだ。
…笑いをこらえるのに必死だった。
キャッチボール大会 (7).jpg
その時の本は今私の手元にある。何人にも勧めたし貸したりした。
原田さんの著作にはいくつも岡山について書かれた場所がある。
「十七歳だった!」なんてオール岡山だ。岡山ってどんなところなんだろう、と思いつつ
早18年…(苦笑)ファンの方はもちろん、そうでない方もぜひ。



★十七歳だった!
やはり最初にあげるならここ
操山高校1.jpg
岡山県立岡山操山高校「(十七歳の前口上)」
「何だかヤケに岡と山がたくさんあって回りくどい」
実はこれを撮る前日(私が岡山入りした日)まで文化祭と体育祭で校内に入ることができた
のだが、スケジュールの都合で見送り。
竹下夢二碑.jpg
後楽園正門前の竹下夢二の碑(「どうするんだ恋心」)
学校近くの旭川沿いにある。
「旭川の川原へ来て下さい。竹下夢二の碑の下のあたりで待っています。」
とラブレターに書いた。
近くに川原に降りられる階段があるが、今はここはロープが張ってて行けない。
ちなみに待ち合わせの場所には来てくれたものの、緊張して満足に話せず人伝に
「友達でいて下さい」で玉砕。
新鶴見橋.jpg
新鶴見橋(「初サボりの顛末」)
ここのたもとで、クラスメートのK哉君が学校とは違う方向へ走り去る所を見かけて、声を
かける。
文化プラザ.jpg
文化センター(現:天神山文化プラザ)(「同」)
一緒に向かった先がここ。
K哉君はここの自習室で学校をサボって勉強を始めて「ガチョーン」であった。
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イリミテ跡(「文学青年への道」)
文化センター向かいにあった、孤高な文学青年の集まる喫茶店。
ちなみに「白樺」は表町の「オランダ通り」にあった。
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奉還町商店街(「十七歳のファッション」)
アイビーショップ「バニー」がかつてあった商店街。
★いろはに困惑倶楽部
県営グラウンド.jpg
県営グラウンド(「ね:猫と犬」)
当時付き合ってたJ子さんと、飼っていた犬の「バン」(名前は「VAN」から取ったものと
思われる)と一緒にデートに来たグラウンド。
しかしバンはJ子さんに発情して足に股間をこすりつけ、白い液体で汚してしまった…。
岡山市民会館.jpg
岡山市民会館(「あ:アルバイト」)
イリミテのマスターの紹介で、大学時代帰省した時にコンサートの警備員のバイトをした
ところ。
この時は沢田研二のコンサートで「TOKIO」を歌ってた頃で、ものすごい人気だった為に
観客を抑えるのに大変だったそうである。
新幹線跨線橋.jpg
国道53号線「万橋跨線橋東」交差点近くの新幹線跨線橋(「め:酩酊」)
文中では「国道2号線」となっているのだが、市内の旧2号線でも新2号線でも新幹線跨線橋
はここしかない。
自宅のあった下伊福に近い国道は180号→53号線だし、2号線は遠すぎる。
53号線で場所のつじつまが合うので、ここでは置き換えて書くことにする。
高校時代原田さんとK哉君は、電話から「会って酒を飲みながら話そう」
ということになり、この跨線橋の下あたりで合流する。
南方公園.jpg
南方公園(同)
跨線橋の下あたりにある。もしくはその奥にある南方北公園のことかもしれない。
今は像と広場しかないが、当時はブランコがあって座りながら酒盛りを始めギャアギャア
騒いだ後
西川.jpg
緑道公園.jpg
西川緑道公園(同)
やがて国道の向かいにある西川沿いを歩きながら、文学的なセリフを吐きまくり、屋台の
おばちゃんに
「高校生が酒飲んだらおえんがな!(ダメでしょう!)」と怒られる。
ちなみに倉敷出身の坂東太郎さんに「『おえん』と『いけん』の違いは何か?」と伺った
ことがあって、わからないということだったのだが、たまたま別件で調べたら
「女性が『いけん』と使うと艶っぽくなる」
という意見が男性全員一致だったそうである。
もしこの時おばさんでも「酒飲んだらいけんが」と言われていたら、美人のホステスさんに
「飲んじゃダメでしょう、ボクちゃん」と言われているイメージなのだろうか。
文化プラザ.jpg
天神山文化プラザ(同)
やがてここにたどり着き、上のベランダからぶら下がったK哉君を「わーすごいすごいー!」
と拍手喝采し、あちこち2人でゲロを吐いた。
★私は好奇心の強いゴッドファーザー
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後楽座1.jpg
第1ニシキ館(現:後楽座)(「お年頃だった!」)
ストリートビューで2011年1月・ニシキ館時代の建物を見ることができる。
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Ryoutei2.jpg
第2ニシキ館(現:Ryoutei)(同)
駐車場・駐輪場は当時のままだそうである。
この2つは主にポルノ映画を上映して、入りたいがどうしても入れなかった。
隣は今回私も行った有名なラーメン店「浅月本店」
著作で浅月に触れてるものはないが、当時は有名になるなんて思ってなかったのだろう。
★すんごくスバラ式世界
弓之町公園.jpg
弓之町公園(「血の雨降るぞ大喧嘩」)
文化センター(現:天神山文化プラザ)近くの公園
不良の師・H原君の友人がきっかけで、ここでの決闘に巻き込まれる羽目に。
ちなみにH原君は現在歯科医。不良だけど頭は抜群に良かったのだ。
★たまげた録
操山会館.jpg
操山会館(「好きだ操山会館」)
高校の校友会館。卒業生でなくても一泊1500円で泊まれる。
★27
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チャイヤ2.jpg
チャイヤ1.jpg
チャイヤ(「デートコース再訪記」)
待ち合わせで良く利用していた喫茶店で唯一現存していた。
旭川.jpg
旭川(「同」)
文中では「旭川の川原」 
新鶴見橋(通学路)の上から撮ってみた。原田さんもきっとこの風景を見ていただろう。
大原美術館.jpg
エル・グレコ1.jpg
エル・グレコ2.jpg
大原美術館とエル・グレコ(「同」)
「岡山に住む年頃の男女にとっては、ちょっとかかせないデートスポットであろう」
エル・グレコで私も休憩。きっと創業当時のまま、クラシックな感じのお店だった。
★はたらく青年
倉敷市民会館.jpg
倉敷市民会館(「文庫化記念対談」)
「いろはに困惑倶楽部」の「アルバイト」と同時期のバイト先。
岡山では沢田研二・ここでは郷ひろみのコンサートで「林檎殺人事件」を歌ってる頃だった
やはり客の勢いがすごかった。
★家族それはヘンテコなもの
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岡山駅前 桃太郎像(「想像過多のデート」)
ここでもデートの待ち合わせをしていた。
★番外編
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城下カフェ
「原田宗典アワー」を開いた店。
実妹である原田マハさんがお気に入りの店でもある。
彼女の著作「でーれーガールズ」が映画化される。
岡山県内でエキストラ募集のポスターで、初めて知った。
しかも私が岡山入りした前日にクランクイン、オール岡山ロケ。
岡山城に行ってたら撮影に遭遇してたかも~残念!映画見に行きます!
posted by アパート管理人 at 22:20| Comment(4) | TrackBack(0) | ロケ地巡り | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

岡山の風景がなつかしい~ぃと思いながら見ていました。

6年前に義理の妹の結婚式で岡山に行き、ちょうどスタジアム前のホテルで1泊しました。
翌日は路面電車のって、烏城あたりを観光して、後楽園入り口の茶店でお菓子を食べて帰りました。

今はあるかわからないですが、貸しボート(スワンボートならぬ、鶴ボート)があり、川から烏城を見上げて、でかいなぁ~、と感動していました。

また、機会があれば、いってみたいですね。
Posted by じんたん at 2014年09月17日 23:50
じんたんさん、こんばんは。
今見返してみると、観光客が行かないところばかりですね^^;
次に行くときは試合で一日取ったほかに、観光と路面電車を満喫!
だから3泊4日…休みてぇ~!(去年~今年の有給40日中36日切り捨てました)
貸しボートは姿は見ませんでしたが、まだあるそうです。
あ~やっぱり岡山城だけでも行けばよかったな。
Posted by アパート管理人 at 2014年09月19日 22:42
天神山文化プラザは高校生の頃に毎日通っていたので記事を懐かしく読ませていただきました。
本年4月と6月に岡山に帰省した際にその辺りをポタリましたが雰囲気は変化ありませんね。
イリミテ(ILLIMITE)では真空管アンプとフルレンジでコンテンポラリージャズを流してました。
あのマスターどうしましたかね。表町通りの古本屋の主人に似た風貌の人を見たことがあります。


Posted by Camp4 at 2018年07月15日 15:43
Camp4さん、初めまして。コメントありがとうございます。
岡山県内でこの度の大雨で被災された方々に、お悔みとお見舞い申し上げます。

原田さんと同世代の方でしょうか、だとすると私が生まれた昭和48年に高校生ですね。
イリミテのマスターは「インディアンみたいな風貌で、エピステーメーという
頭から煙が出そうな難しい雑誌を読み、客が来ると『めんどくせぇなぁ』と
いう態度でカウンターへ引っ込む」方だそうで。
そうそ、店内はいつもジャズが流れてたと。
原田さんもマスターの消息は判らないと著書に書かれていました。
きっと会いたいと思われてるでしょうね。
Posted by アパート管理人 at 2018年07月15日 22:56
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