2006年08月11日

矢吹駅

仕事の合間に「矢吹駅(東北本線)」という、私の実家の最寄り駅を思い出してた。
10年位前に新しい駅舎に改築されたが、私が高校時代3年間お世話になっていた時は有人駅
だったが木造平屋建てで、古い分寒かった記憶がある。ただしあまり駅舎にいることはなく
駅に着いてそのままホーム直行だったことがほとんどだったが。

小さい時は、駅というのは不思議な場所だと思っていた。何というか、来てはいけない場所
のような…。田舎なので、あまり鉄道は使わずに車でどこへでも行っていた。
子供の足では少し遠いが、充分徒歩圏内なのに滅多に行かない場所・そんな理由から来ては
いけない場所なのだと思っていたのかもしれない。
ちなみに私の親は踏切で通過する特急・急行列車のグリーン車(クローバー)を指し
「あの車両は乗ってはいけない」
と教えた。なので、ずいぶん長いこと指定席は乗ってはいけないものだと信じていたし、
乗っている乗客を見ると「いけないことをしてる人」と思っていた。

おそらく駅の一番古い記憶は、祖父の慰安旅行について行った幼稚園時だと思う。行き先は
牡丹(の看板)が見えたので須賀川か、菊人形を見たので二本松駅集合のどちらか。
ホーム改札口の真上には、すぐ近くの酒造会社の酒樽?の銅版レリーフが飾られていた。
改札はもちろん自動ではなく、鉄柵で仕切られただけの簡単なもので
矢吹駅(仮)
(千徳駅にて これと同じ作り)
列車の到着時間が近づくと駅員が改札付近に赴き、改札口の柵を開ける。私はそのシステム
を知らず、祖父に「早くホームへ行こうよ」と手をぐいぐい引っ張った記憶がある。

矢吹駅からいつの間になくなっていたものが2つあった。
一つは「切符売り場」もう一つは「キオスク」
小さい駅のくせに、いっちょまえにキオスクがあったのである。
売られていた商品の中でも、ひときわ記憶に輝いているのは「ままどおる」
これまた私にとって、特別な食べ物だった。
「福島県内どこのキオスク・SAにもない所はない」と断言してもいいくらい(本当かどうか
は不明^^;)当たり前のように販売されているが、そうしょっちゅう食べていたわけでは
ない。幼稚園の月1回の「お誕生会」だったり、私の実家で万引きして捕まった生徒の親と
担任が、お詫びに持参した手土産だったり、バス旅行で立ち寄ったSAで買って来たりする・
自分から駅へ買いに行くということは、どういうわけかなかった。当たり前のように食べて
いたら、今のようにありがたみがなかったかも知れない・などと、今ふと考えていた。
閑話休題。
それから切符売り場は、自動券売機に変わってしまったが、それまでは透明のアクリル板
越しに、駅員に行き先を告げて切符を買う・あのシステムだった。
姉がとある事情で白河まで列車で通っていた際、独りで心細いということで、私もお供に
行かされていた時があった。
ある日、いつものように切符売り場で「白河まで子供2枚下さい」と言おうとしていた途端
駅員さんに「白河まででしょ?顔に書いてあるよ^^」と先を越されたことがあった。
最近まで何でわかったんだろうと不思議に思っていたが、本当に顔に書いてあるわけでは
なく、毎日のように同じ時間に「白河まで子供2枚下さい」と繰り返して言っていれば、
駅員さんも覚えるであろう。

記憶が正しければ小学3年の時に、矢吹駅に「フルムーン」と書かれた老夫婦?の混浴の
ポスターが掲示されていたことがあった。
あの「上原 謙」と「高峰秀子」の超有名なポスターである。
その時一緒に駅にいた友人に「ねーねー、"フルムーン”て何?」と
聞いた所、友人はこう答えた。
「お母さんから聞いたんだけどね、男の人が女の人の大事な所を触るんだって
貼られているポスターは混浴だし、2人とも肩から上は何もつけてないし、高峰秀子の肌が
年齢のわりにはとてもきれい・と話題になったと知ったのは、もう「フルムーン事件」から
大分後になってのことだったので、子供心に「やらしい」としか見えなかったのかも
しれない(でもなぜ"触る”のだろうか*^^*)
中学になってその友人にその話をしたら「え~!?私そんなこと言ってない!」と断言
したが、いや、確かに言った。
なので、私は「フルムーン」と聞くと、どうしても笑ってしまうのである。
矢吹駅(仮)
(これも茂市駅だが、違うのは色くらい。実に良く似ているので、駅舎の写真として拝借
した)
高校時代3年間、毎日のように矢吹駅にはお世話になったが、学校から帰ると駅員さんが
「おかえりなさい」と改札口で定期の確認をしながら、声を掛けてくれてた。自販機で
「おはよう!今日も一日頑張って!」などと自動応答するものがあるが、駅の自動改札が
「いってらっしゃい!」などと言っても正直あまりありがたみがない。
小さいながらに、暖かい雰囲気のいい駅だったと思う。新しい駅舎になって、これも受け
継がれただろうか。
ちなみに、古い駅舎時代に矢吹駅には実は主人も降りたことがあった。
切符集めが趣味だったので、終点だった矢吹で一度降りて、切符を買ったそうである。
もちろん知り合うずっと前。
よくまあ田舎のしょっぱい駅に降りたことを覚えていたものだ。
posted by アパート管理人 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 鉄道関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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